2024.02.23
春一番
こんにちは、「伝承の家」福島屋です。
先週2月15日、ここ関東地方にも春一番が吹きました。
春一番とは、春先に初めて吹く強い南風のことです。「春の嵐」とも呼ばれ、春一番が吹く季節は、冬の冷たい北風が暖かな南風に変わってゆく節目にあたります。
この「春一番」という名の由来は実は海難事故にあるそうです。
江戸時代末期の1859年(安政6年)3月17日(旧暦では2月13日)、現在の長崎県壱岐の島沖(いきのしまおき)で、強い南風にあおられた漁船が転覆するという事故が起きました。
船に乗っていた漁師53名が死亡するという大惨事です。
この事故以来、春に吹く強い風を警戒して「春一(はるいち)」または「春一番(はるいちばん)」と呼ぶようになりました。
気象用語として正式に使用されるようになったのは、事故からおよそ100年が経過した1970~80年代(昭和50年代)からです。
春一番と聞くと、暖かくほのぼのしたイメージがありますが、こんな由来があったとは意外でした。