伝統をつなぐ【大堀相馬焼】

こんにちは、〔伝承の家〕ハウスアドバイザーの木島です。

2019年3月11日。
東日本大震災から8年を迎えました。

被災された皆様とそのご家族の方々に、改めて心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 

震災では多くの方が犠牲となるとともに、今もなお生まれ育った町に帰れない方がたくさんいます。
そしてまた、その町、その地域で育まれてきた伝統文化にも大きな影響があるようです。

美しい青磁色と高い機能性の陶器「大堀相馬焼」

福島県浪江町大堀地区には多くの窯元があり、「大堀相馬焼」という伝統工芸の一大産地でした。

大堀相馬焼の特徴は主に3つ。

①旧相馬藩の「御神馬」が描かれている

②鈍色の器面に広がる不定型な「青ひび」

③入れたお湯が冷めにくく、熱いお湯を入れても持ちやすい「二重焼」

素朴さの中に温もりやあたたかみがあり、地域に愛され育まれてきた陶器です。

(画像)松永陶器店ホームページより

震災で300年の伝統が消滅の危機に

しかし明治時代以降ともなると仕事が多様化し、江戸時代には100件余りあった窯元も年々減っていくことに。
それでもアメリカへの輸出などの新たな挑戦を繰り返し、伝統を紡いできました。

ところが東日本大震災、そしてその後の原発事故により福島第一原子力発電所の10kmに位置していた大堀の住民は非難を余儀なくさてしまいます。
帰宅困難区域に指定された大堀地区には戻ることができず、事業者は離散していきました。

 

伝統を守るため、想いをひとつに

ですが今、離散してしまった複数の窯元が県内外に工房を再建し、それぞれが「大堀相馬焼」の火を絶やさぬように活動されているそうです。

震災前25件あった窯元のうち、それぞれの地で再開できたのは約半数。
大堀地区には、いつ戻れるか分からない。
浪江の土を使うことが出来ないため、模様を上手く出すことができない。

厳しい現実に突き当たろうとも、300年の伝統を守るために想いをひとつにして窯元さん達は今日も手を動かし続けています。

 

 

 

 

 

(画像)大堀相馬焼WEB本店より

伝統は、誰かが継いでいかなければ消えてしまいます。

大堀相馬焼の窯元さん方に比べれば私たちにできることは微々たるものですが、こうして様々な地域の伝統を知ること、そして使うことで僅かでもその一翼を担っていければと思います。