日本の伝統色
2020年4月6日
カテゴリー: 伝承コラム
こんにちは。
〔伝承の家〕設計の黒岩です。
伝統素材や、伝統技術を大切にしている福島屋として、
これから『日本の伝統色』を題材にご紹介して参ります。
世界と日本の色彩感覚 「かたい色彩」と「やわらかい色彩」
日本人は世界の中でも稀にみる色彩感覚のすぐれた民族であり、
このことは中国や欧米の伝統的な色彩、配色と比較してみるとよくわかります。
中国や西欧では原色を軸にしたはっきりした色を好み、配色にしてもその強い対比で人目を
引くことを基本としています。これを「かたい色彩感覚」と呼びます。
これに対して日本では伝統色の名前からしても紅梅色、藤色、浅葱色、海老茶色といったように
デリケートな色の違いを表現する色名があり、配色にしてもその組み合わせに微妙な感覚を持っていました。
こうしたものを「やわらかい色彩」と呼びます。
日本人は「やわらかい色感」のみならず、「かたい色感」も併せ持っていて、色彩の達人です。
もっとも今日では色彩の世界でもグローバリゼーションの影響で欧米化し、やわらかなでデリケートな
色彩感覚を失いつつあるのではないかと思われています。