日本の伝統色【紅】
2020年4月13日
カテゴリー: 伝承コラム
こんにちは。
〔伝承の家〕設計の黒岩です。
“日本の伝統色”シリーズ。
【紅】(くれない・べに)
一般の女性は着られなった憧れの色
大量の紅花で何度も染め重ねた鮮やかな赤色。
紅差指(薬指の別名)の呼び名もある、女性と縁が深い色です。
「片紅一両は金一両」といわれた江戸時代には蘇芳や茜などで染めた似紅(にせべに)や
紛紅(まがいべに)が横行。紅花で染めた本紅(真紅、深紅)は一般に着用出来ない禁色で、
平安時代から近世まで女性の憧れでした。
また紅花は「末摘花」ともいわれます。
万葉集にも紅花(末摘花)を使った歌があります。
「外のみに見つつ恋せむ紅の末摘花の色に出でずとも」(『万葉集』巻十)
意味:外から見て恋しているだけにしましょう。紅花のように色に出さずとも。