家づくりのはじめかた~土地探し・建築会社選び 編②~
2019年5月10日
カテゴリー: 家づくりのはじめかた
こんにちは、〔伝承の家〕ハウスアドバイザーの木島です。
家づくりの段取りをご紹介する「家づくりのはじめかた」コーナー第2回目です。
前回は土地探しの3つの方法についてお話させて頂きました。
(参考:家づくりのはじめかた~土地探し・建築会社選び 編~)
今回は、土地探しを依頼する「人」を選ぶポイントをお話させていただきます。
さて、土地探しをお願いする建築会社が決まると一安心といった気持ちになりますね。
でも、一息つくのはちょっと待ってください。
お客様が選んだその担当者、「宅地建物取引士」の資格は持っていますか?
宅地建物取引士とは?
不動産会社では、従事者5名につき1名の宅地建物取引士の設置を義務付けています。
簡単に言えば、従業員5人の会社ならば1人、10人の会社なら2人、必ずこの資格を持った人が必要となります。
何故かというと、
不動産の取引は高額なうえ、様々な権利関係が複雑に絡まりあっていることが多いものです。
普段から不動産取引をしているプロはともかく、一般の方は不動産に関する専門知識が少ないため、
悪質な業者に騙されたり、重要な事項を見落とすことによって不利益を被る可能性があります。
それを防ぐために、取引に当たり不動産の専門知識を持つ「宅地建物取引士」を置く事が義務となっているのです。
宅地建物取引士の役割としては、
・高額な不動産取引で一般の方が不利益を被らないように
・法律や周辺の環境などを調査し
・契約が安全安心に行われるようにする
ということになります。
宅地建物取引士の資格を取得するには
宅地建物取引士の資格を有するためには、試験に合格しなくてはなりません。
試験に出題される内容には
・民法
・借地借家法
・不動産登記法
・都市計画法
・建築基準法
・土地区画整理法
・宅建業法
・不動産に関わる税
などがあります。
不動産取引が円滑に行われるよう、幅広い知識が必要となってきます。
なぜ宅地建物取引士の資格を持っている担当者が望ましいか
不動産屋で土地を探す場合は、その名の通り常日頃不動産の取引をしていますので心配することもあまりないですが、建築会社で土地探しからサポートしてもらう場合はそうも言えません。
数ある不動産業者、数ある土地の中からお客様の条件に合致する土地を選定するためには、不動産の専門知識が必要不可欠です。
例えば3階建ての家を建てたいと思っていたとして、契約の直前に不動産屋から
「ここは3階建ては建てられない地域です」
なんて言われたら大変ですよね。今までの打合せも水の泡…
土地探しの初めから分かっていれば、担当者にしっかりと知識があれば、
そもそもこの土地は候補に入らなかったはずです。
ですが、知識があるかどうかは見た目では分かりません。
経験則からもっともらしい事を言って、後からトラブルになる営業マンも少なくありません。
安心して土地探しを任せられるかどうか、専門知識はあるかどうか、
それを測る材料になるのが「宅地建物取引士」の資格なのです。
土地など不動産を取引しないハウスメーカーや工務店など、
建築会社で働く分には必要のない資格ですが、
不動産屋と違って会社そのものが不動産(土地)のプロではないからこそ、
担当者、もしくはその上司は持っているべき資格かと思います。
ですので、土地探しを建築会社に依頼される際には担当者に
「宅地建物取引士の資格は持っていますか?」
と聞いてみてください。
もし持っていれば、お客様がより安心して土地選びに集中できるようになると思います。
持っていないようであれば、上司や近くの人に有資格者はいるか確認してください。
そしてその方に、土地選定はしっかりと監督してもらうようにしましょう。
一番注意しないといけないのは
「そんな資格は必要ないんですよ」
と開き直るパターンです。
宅地建物取引士の資格は、真剣に勉強すれば取得できる資格です。
それでも取得できない事情は各々あるかもしれません。それは仕方ないとして。
だからといって「必要ない」と言って開き直る姿勢の方から、
お客様にとって「一生もの」の土地を紹介しようとする「責任」を感じられるかというと、やはり疑問に思ってしまいます。
長々とお話が続いてしまいましたが、
建築会社で土地探しも依頼する際には、このような「人」もひとつのポイントとして考えてもらえればと思います。
それでは、また次回も是非ご覧いただければ幸いです。