壁の仕上げ、〇〇は危険?

こんにちは、〔伝承の家〕ハウスアドバイザーの木島です。

 

皆さん、もしご自宅にいらっしゃれば、そばにある“壁”をご覧いただけますか。
その壁は何で仕上げられているでしょうか。

賃貸アパートや比較的新しい戸建て住宅であれば、ビニールクロスが貼られていることが多いかと思います。
壁の仕上げなんて今まで考えたこともなかった、と仰られる方もいるかもしれません。

今回はそんな方にも是非目を通していただきたい、“壁”についてお話です。

ビニールクロスは「安い・早い・きれい」から生まれた

国内で最も使われている仕上げ材が、先程の話にもあった「ビニールクロス」。
その普及率は9割にもなると言われています。
ビニールクロスが生まれたのは高度経済成長時の1960年代。
急速な経済発展により、住宅の新築や改修が盛んに行われるようになりました。

しかし、それまでの住宅の壁は漆喰や珪藻土など、湿式工法である土壁が基本。
熟練の腕を持つプロの左官屋さんが施工する必要があるため、
価格も抑えにくく、丁寧に仕事をしようとすると工期もかかってしまいます。

そこで普及したのがビニールクロスです。

ビニールクロスは工業製品ですから、低価格で、施工もしやすく、品質も安定しています。
「安い・早い・きれい」の三拍子が揃ったビニールクロスがその利便性から爆発的に普及するのは必然で、
現在に至るまでそのシェアの伸ばし続けているのです。

 

ビニールクロスは体に悪い?

しかしその後、ビニールクロスの急速な発展ととともに問題視されるようになったのが

「シックハウス症候群」です。

ビニールクロスには、原料となるポリ塩化ビニールを柔らかくしやすくするための可塑剤、変色やカビを防止する安定剤など、化学物質を多く含有しています。

そしてその化学物質が施工の際に揮発する可能性があり、シックハウス症候群の原因のひとつとなっています。
なのでアレルギー体質の方は注意が必要となります。

また、燃焼時にダイオキシンなどの有害ガスが発生するものもあるので、万が一の時には気を付けなければいけません。

そうしてシックハウス症候群が問題になる中、厚生労働省は2002年、『室内空気を汚染し、人の健康を害する』問題のある物質として13種類の化学物質にガイドラインを設けました。

これを受け、各メーカーも出来得る限り身体と環境に悪影響の少ないビニールクロスを開発、製造するようになっていったのです。

 

結果、ビニールクロスは安全なのか

そういった経緯から、現在流通している壁紙は全て「F☆☆☆☆」という表示がされています。

この「F」というのは、シックハウス症候群の原因物質のひとつ、ホルムアルデヒドの発散量をランク付けしたものです。

星4つの「F☆☆☆☆」(エフフォースター)が最も発散量が少ないとされ、F☆☆☆☆ならば住宅を建築する際に制限なくいくらでも使うことができます。

ですがこれは、ホルムアルデヒドが「ゼロ」ということではありません。
ホルムアルデヒドは使われてるが、発散量が少ないということを意味しています。

ですから、F☆☆☆☆のビニールクロスは昔と比べて安全性は高まったものの、可塑剤や安定剤を用いる作り方が根本的に変わったわけではありませんし、使用する量によってはホルムアルデヒドの濃度が濃くなってしまったり、また、ホルムアルデヒド以外の有害な化学物質の使用をしている可能性があることなども考えられるので、やはり人によってはご心配になるところかと思います。

また、ビニールクロスは素材自体に通気性や調湿性がないため、適切に換気を行わないと結露やカビの原因となり、アトピー性皮膚炎や小児ぜんそくの原因ともなってしまいます。

私も幼少のころ小児ぜんそくを患っておりましたが、今思えば当時の家は古い借家であまり良い環境とは言えなかったかもしれません。

 

福島屋では「日本家屋の基本」に戻り、“塗り壁”を使います

私たち福島屋では、日本家屋の基本に立ち戻り、原則として塗り壁を採用しています。

手間も時間も掛かりますし、費用もビニールクロスに比べれば少し高くなります。

しかし、長い目でお客様の生活を考えると、出来るだけお体にやさしく心配事の少ないものを使いたい。
その想いから「ほたて漆喰」や「珪藻土」を標準的な仕様とさせていただいております。
こうした自然素材はホルムアルデヒドをそもそも発散しないと考えらえていますので、安心してお勧めすることができます。

(※厳密にいえばホルムアルデヒドは自然界にも存在するため、必ずしもゼロとはなりません)

また、ビニールクロスの普及により少なくなってしまった左官職人さんの技術を後世に残していきたいという想いもあります。

人の手によって、確かな腕によって自分の家の壁が作られていく様はとても美しく、深い愛着が生まれることと思います。

そもそも日本人は、そばにある自然と上手く共存しながら歴史を紡いできました。
高度経済成長も終わり、これからは人口減少に向かっていく中、もう一度日本人としての基本に立ち戻ってもよいのではないでしょうか。

伝承の家モデルハウスでは、珪藻土とほたて漆喰の壁が塗られています。
是非、その目で見て触れてみて頂ければと思います。