伝統建築⑮
2019年7月22日
カテゴリー: 伝承コラム
こんにちは。
〔伝承の家〕設計の黒岩です。
伝統建築第十五弾。
“法隆寺”(ほうりゅうじ)
国宝。聖徳太子が建立した寺院。金堂、五重塔を中心とした西院伽藍は世界最古の木造建築群であり、夢殿などの東院伽藍も含めユネスコの世界遺産に登録されている。
釈迦三尊像も素敵。
法隆寺で使われているヒノキの柱は、単に一本の太い丸太ではない。丸太の芯の部分は割れやすいので、芯にかからないように気取りをする芯去り材を用いている。それはすなわち、直径約66cmの金堂の柱を造るのに、少なくとも直径約1.5mの材木が必要ということで、しかも状態のよいものをたくさんそろえなければならない。そんなヒノキはいま世界中を探してもない。
そして、法隆寺と同年代、同格の木造建築もまた、本家の中国はもとより、世界中を探してもどこにもない。
それぞれのプロポーションの良さ。
南大門を抜けて中門に向かうと、下図のような配置で西院伽藍が見える。全体のバランスを考えて、それぞれの建築を姿よく造っている。一帯は都の建築ではないので、戦乱に巻き込まれなかったことも幸いした。