伝統建築⑬
2019年7月8日
カテゴリー: 伝承コラム
こんにちは。
〔伝承の家〕設計の黒岩です。
伝統建築第十三弾。
“圓通寺”(えんつうじ)
修学院離宮も造営した後水尾天皇の離宮として創建。文英尼公が開基となって寺に改め、皇室の祈願所となる。庭園は比叡山を借景にした枯山水庭園で、国の名勝。
『人工物と自然の関係を揺るがす、力強く突き抜けた借景』
比叡山の雄大な姿を眺められる「借景」式庭園で知られている。山や景色のように庭の外のものを積極的に取り込んで庭園を構成することを借景といい、当初は離宮として建てた後水尾天皇は比叡山の稜線が美しく見える場所を求めて、京都中を12年ものあいだ探し回ったと伝えられる。行き着いたベストポジションがこの地であった。
正面の真東に望む比叡山を取り込むという明快な目的を叶えるため、周到に計算し調整されている・・・・作為が隠された借景。