伝統建築⑩
2019年6月17日
カテゴリー: 伝承コラム
こんにちは。
〔伝承の家〕設計の黒岩です。
伝統建築第十弾。
“旧閑谷学校”(きゅうしずたにがっこう) 。
岡山藩主・池田光政の命により、1670年に創建され1701年に完成。現存する世界最古の庶民のための公立学校といわれる。聖廟、閑谷神社、石塀などが重要文化財。講堂は学校建築としては唯一の国宝。
教育熱心だった岡山藩主・池田光政によって、学校建設を命じられた津田永忠。土木事業に秀で、岡山後楽園の造営も手がけた津田が、30年かけてその手腕を遺憾なく発揮し、1701年に完成させた閑谷学校は
『学校が永劫続くように』との藩主の遺言に沿うように、現在の変わらず、閑静な山あいで質実剛健なその姿を見せている。
講堂を縁側がぐるりと一周し、明かり障子を閉めるとアーチを描く花頭窓が浮かび上がる。講義を行う内室は10本の丸柱で囲まれ、四方を入側(濡縁と内室の間の廊下)が囲む入れ子構造。拭き漆仕上げの床は鏡のように輝く。