伝統建築⑥

こんにちは。
〔伝承の家〕設計の黒岩です。
伝統建築第六弾。
“妙喜庵 待庵”(みょうきあん たいあん) 国宝。
豊臣秀吉が山崎の戦い(1582年)の折、千利休に命じてこの地に造らせたと伝わる“待庵”は
わずか2畳。現存する中で最も古い茶室でもある。

自らの茶の湯の思想を体現するマニフェスト、千利休の気迫がビシバシ伝わってくる革命的な茶室である。
★革命ポイント★
① 壁や床を、壁土で塗り込めて柱を隠してしまうことで、今にも建物が崩れそうな不安定感を感じさせている。
② 炉の寸法を通常より小さいサイズにすることで、視覚的なスケール感を錯覚させる。
③ 床前と点前畳の上は非常に低く、竹の竿縁天井に、客畳の上は屋根裏の構成を室内に見せ、かつ傾斜天井とする掛け込み天井にして、室内にわずかな余裕を演出している。
④ 土壁に浮かせ、自由に作れる下地窓・連子窓は、柱や腰張りから離して浮遊感を強調。明かり障子はわびた竹の組子。

不安定さ、浮遊感などつかみどころのない感じを覚えさせる構成には、
以降の茶室に現れる様々な技巧が詰め込まれている。
思想が成熟することで生まれた利休晩年の茶室は、
いまだ完全に読み解かれておらず、それゆえに見る者を魅了する。