伝統建築③
2019年4月29日
カテゴリー: 伝承コラム
こんにちは。
〔伝承の家〕設計の黒岩です。
日本の伝統建築、第三弾。
ディティールのランクについてご紹介します。
日本には古来『真行草』という考え方があり、
書道や華道、茶道の表現に「真=正格」「草=くずし」「行=その中間」という格付けがなされています。
「真」厳格に完備したもの。
「行」“真”からやや砕けて軟らかな形式になったもの。
「草」“行”からさらに省略化され軟らかさを増したもの
これは価値の大小を定めるのではなく、あくまでスタイルの格を位置づけるもの。
日本の伝統的建築にもこの考え方が取り入れられており、パーツごとに格付けがなされています。
身近な畳の縁にも『真行草』があります。
「真」御所や寺社の儀式などに使われる、超高級畳に用いられるのが①繧繝縁(うんげんべり)
京都御所清涼殿の御帳台(天皇の座)に使われています。
「行」通常の座敷では床の間に使われるのが②③高麗縁(こうらいべり)で他の畳との格差をつけます。
「草」床の間以外の畳については通常、黒か茶など地味色の⑥⑦⑧無地で木綿の畳縁をつけます。
場所によっては、華やかな④⑤紋縁(もんべり)をつけたり、狭い部屋には明るめの色を選ぶこともあります。
わかりやすいところで・・・
内裏雛は鮮やかな縁の畳に座っています。これが「真」の繧繝縁にあたります。