スリッパはいらない
2020年4月24日
カテゴリー: 伝承コラム
なぜ私はご案内の際にスリッパを履かないのか?
こんにちは、福島屋ハウスアドバイザーの木島です。
皆様は普段、おうちでスリッパを履いて生活をされていますか?
モデルハウスでもお客様用のスリッパはご用意させていただいているのですが、
私は割と素足(と言っても靴下は履いていますが)でご案内をさせていただくことが多いのです。
それはなぜでしょう?
スリッパの数に限りがあってスタッフ分が無いから?
スリッパアレルギーだから?
ついつい忘れてしまうから?
いえいえ、そんなことはありません。
その理由は「無垢の床材が気持ちいいから」なんです。
本日は、そんな無垢の床材の中でも、
モデルハウス粋にも床材として使われている「杉」についてお話させていただければと思います。
杉の床についてお話している時によく出てくるのが「杉って傷つきやすいって聞いたけど本当?」という声。
結論から申し上げますと、傷はつきやすいです。
杉は非常に柔らかい針葉樹ですので、物を落とせばすぐに凹むし、椅子を引きずっただけでも跡が残ったりします。
なので、傷を嫌がる方には比較的硬めの広葉樹……例えばナラやカバなどをお勧めいたします。
ただ、例え傷がついたとしても無垢材は厚みがあるため合板フローリングのようにはげたりはしません。
それに、使い込んでいくうちに周囲の色に馴染んでいき目立たなくなってきます。
むしろその傷ひとつひとつが住み続けた歴史を語る味わいとなって、愛おしく感じるようになるという人もいます。
傷をつけてしまった時にはショックだと思いますが、それに一喜一憂するのではなく、
ついた傷も含めて経年変化として美しくなっていくと思ってもらえると良いかな、と思います。
そして、その傷つきやすさをもカバーするメリット……
私たちが素足(靴下)でご案内する理由の「気持ちよさ」について。
まず、杉の床はあたたかく感じます。
床暖房のように実際に温度が上がっているわけではないのですが、
杉にはすき間が沢山あって空気層を多く含むため、この空気層が熱を伝えにくくする効果を持つのです。
体から熱が奪われにくいので、相対的に「あたたかみ」を感じるわけですね。
ですので、冬場などフローリングの床を素足で踏むと「冷たっ」となると思いますが
杉の床材ならそこまで冷たさを感じることもないかと思います。
私は冬でも基本的にあまりスリッパを履いていないのですが、
室内があたたまっていれば特に足元がかじかむようなことはないのでとても快適です。
冬場にあたたかさを感じるのはとても気持ち良いものですが、夏はどうでしょうか?
実は、夏には夏で杉の床の「気持ちよさ」があるのです。
それが「さらさら感」です。
杉の床は足ざわりが「さらさらっ」としていてとても気持ちがいいのです。
特に夏は、フローリングでは自分の足の裏についた汗がくっつき、「ベタベタッ」となってしまうとことが多いと思います。
ですが杉は調湿性も多少あるため、ベタベタしにくく、さらさらとした足ざわりになるのです。
思わず素足で歩きたくなるような気持ちよさ、これがとても心地よくて快適です。
以上のように杉の床はとても気持ちがいいので、私は基本的にスリッパを履いていません。
あたたかみやさらさら感、そして板と板との間の微妙な凹凸……
ご案内しているだけでちょっとリラックスできてしまいます。贅沢な時間です。
もし皆様もモデルハウスにお越しになられる時がございましたら、
是非一瞬でもスリッパを脱いで、その「気持ちよさ」をご体感いただければと思います。
心よりお待ちしております。

木島 拓也(ハウスアドバイザー)
埼玉県大里郡寄居町出身。
ハウスメーカーにて約9年、住宅営業に従事。
地元に戻った現在は福島屋のハウスアドバイザーのほか、まちづくり事業にも参加。
家族とやんちゃな猫3匹と暮らしています。 外出自粛期間により休日はNETFLIX三昧。